動画とは
動画は、連続した静止画(フレーム)を高速で表示することによって動いているように見える映像と、それに伴う音声などによって構成されています。
動画の主要な要素
- 映像:被写体、構図、色、動き、照明など、視覚的な情報全て。
- 音声:音楽、効果音、ナレーションなど、聴覚的な情報全て。
- 文字:タイトル、字幕、テロップなど、文字による情報。
- 編集:複数の映像や音声を繋ぎ合わせ、一つの作品に仕上げる作業。
- ストーリー:動画に込められた物語やテーマ。
動画のメリット
1.情報量が多い
動画の情報量は文字の5,000倍と言われています
アメリカの調査会社「Forrester Research」の研究では、1分間の動画は「180万語の情報量」と同等と考えられ、Webサイト3,600ページ分に相当すると言われています。
文字の5000倍!?映像の持つ圧倒的な情報量とは
情報量は文字の5,000倍!? 動画の圧倒的な伝達力
2.記憶に残りやすい
視聴覚〔ビデオ・音声による学習〕(20%)
講義への出席(5%)や読書(10%)に加えて、参考書の付録DVDや学習内容に関連したテレビ・ラジオ番組などを視聴すると単なる文字の羅列や静止画と比べて、動画・音声はより大きなインパクトを脳に与えます。ただ何となく聞き流すより、「覚えよう」という意欲を持って集中して聞くことでより身につきやすくなります。
※ラーニングピラミッドを考案したのはアメリカの教育心理学者 エドガー・デール(Edgar Dale)
3.感情に訴えやすい
動画は、ストーリーを伝えるのに最適なツールです。商品やサービスの背景にあるストーリーを共有することで、視聴者の共感を得ることができます。
また、音楽や映像、テキストの力を使って、喜び、悲しみ、怒り、恐怖などの感情を表現することができます。さらに、動画は視覚と聴覚だけでなく、場合によっては嗅覚や触覚にも訴えかけることができます。
そのため、より臨場感のある体験を提供し、視聴者の感情をより深く動かすことができます。
- 拡散されやすい
- エンターテイメント性が高い
- グローバルに訴求しやすい
動画のデメリット
- 単純な情報の伝達に不向き
- 作成や編集の知識が必要
- テキストや静止画と比較して容量が重い
主な動画の用途・効果の出し方・PR方法
前節で調べた動画の効果を最大化するためには、用途やターゲットに応じて適切なPR方法や戦略を採ることが重要です。
より詳細な目的、動画の効果的な出し方、PR方法をグループワークでレポートを作成してください。
1.ネット広告
- 目的:ターゲットユーザーに製品やサービスを認知してもらい、クリックや購入などの行動を促す。特定のターゲット層に対して効率よくアプローチし、広告効果を最大化する。
- 動画の効果的な出し方:数秒で視聴者の注意を引く内容にし、視覚的に魅力的で感情に訴える要素を取り入れる。特にSNSやYouTubeなどのプラットフォームに合わせた最適化が重要で、ターゲットに合わせたフォーマットを選定し短期間でインパクトを与える。
- PR方法:インフルエンサー活用やリターゲティング広告を使用して、視聴者の関心を引き、再度サイト訪問や購入を促進する。さらに、A/Bテストを実施して最適な広告バリエーションを見つけ、効果的な広告を継続的に配信する。
- 実例:auの「三太郎」シリーズはテレビCMと連動したネット広告でも話題になりました。
2.会社紹介
- 目的:企業の理念やビジョン、価値観を伝え、ブランドへの信頼感や親近感を高めること。自社の魅力や特色を視覚的に伝えることで、顧客や投資家、パートナー企業に対して企業の存在意義や社会的価値を理解してもらうことが目指されます。
- 動画の効果的な出し方:企業のストーリーを映像で表現するため、社員や経営陣のインタビューを交え、企業の歴史や成り立ち、未来への展望を伝える。ビジュアルと音声を使い、企業の文化や雰囲気をリアルに感じてもらえるようにする。例えば、社内のイベントや働く様子、社会貢献活動を紹介することで、視覚的に企業の魅力を伝える。
- PR方法:公式ウェブサイトやSNSを通じて発信。企業理念やビジョン、社会的責任を強調した動画をシェアすることで、ブランド認知度を高め、企業の魅力を伝える。特に投資家向けにはIRサイトや企業説明会で使用されることが多い。
- 実例:トヨタ自動車はYouTubeや公式サイトで、企業の理念や社会貢献活動を紹介する動画を展開。特に環境問題への取り組みやイノベーションに焦点を当て、ブランドの社会的責任をアピールしている。
3.商品紹介
- 目的:新製品や既存製品の魅力を伝え、購買意欲を高める。製品の特徴や利点を視覚的に強調し、顧客に製品の価値を理解してもらうことで、購入を促進する。
- 動画の効果的な出し方:製品のデザインや機能を映像で詳細に見せ、使い方や利便性を強調する。製品を実際に使っているシーンを見せることで、視覚的に説得力を持たせる。短い時間で魅力的なポイントを伝え、視聴者の興味を引く。
- PR方法:SNSで短編動画を投稿し、製品の特長を簡潔に紹介。自社サイトやECサイトでの紹介動画も活用し、製品ページにリンクを設置して視聴者を誘導。インフルエンサーやレビュー動画を利用して、信頼性を高める。
- 実例:ユニクロのエアリズムやヒートテックなどの機能性商品の動画が人気。
4.商品マニュアル
- 目的:商品の使い方や組み立て方法、注意点などを視覚的にわかりやすく伝えることが主な目的です。動画は視覚的に理解しやすく、手順を実演することで、顧客の体験をより良いものにします。また、返品や問い合わせを減少させ、サポート業務を効率化するとともに、製品の最大限の活用を促進します。
- 動画の効果的な出し方:商品マニュアルの動画は、ステップバイステップでわかりやすく構成することが大切です。複雑な手順や組み立て方法は、細かい作業をズームアップして見せるなどして、視聴者が迷わないようにします。動画のスピードは、視聴者が理解しやすいペースで調整し、必要に応じて字幕やナレーションを追加して、より詳細な説明を加えると効果的です。簡潔で明瞭な音声指示を加えると、視覚と聴覚の両方から情報を伝えることができます。
- PR方法:YouTubeや自社サイトに埋め込むことが一般的で、顧客が簡単にアクセスできるようにすることが重要です。また、SNSでシェアされることを意識して、動画を短縮したクリップや重要なポイントをまとめた動画として配信し、視聴者が問題解決のためにアクセスしやすくします。さらに、購入後のカスタマーサポートとしても活用できるため、FAQの一環として、問題別に動画を分けるのも効果的です。
- 実例:IKEAは家具の組み立て動画をYouTubeなどで動画で提供しています。特に家具などの組み立てには多くのステップがあり、視覚的にわかりやすく手順を示す動画が有効です。家具は組み立てが少し難しいと感じるユーザーも多いため、このようなマニュアル動画は顧客にとって非常に便利であり、組み立てに困ったユーザーが動画を参照して解決できることで顧客満足度を向上させています。
5.採用
- 目的:企業のカルチャーや働く環境を視覚的に伝え、求職者に対して企業の魅力をアピール。特に企業理念や価値観に共感する人材を引き寄せ、採用活動を効率的に進めるために使用します。また、企業のブランドイメージを強化し、求職者に企業への信頼感や親近感を持たせることも重要。
- 動画の効果的な出し方:先輩メッセージや職場の様子を実際に見せることで、企業の文化や雰囲気をリアルに伝える。特に職場の風通しの良さや成長機会を感じさせるコンテンツが効果的です。仕事の一日を紹介する動画や、仕事をしている社員の生の声を取り入れることで求職者の関心を引く。また、ターゲット層に合わせて、フォーマットや内容を工夫することが重要です。
- PR方法:SNSなど採用動画をシェアし、ターゲットとなる求職者層にリーチ。求人ページに動画リンクを埋め込み、応募者に対して企業の魅力をダイレクトに伝える。動画広告を活用して特定の職種に対する認知を広げる。
- 実例:楽天は新卒採用コンセプトムービーでさまざまな職種の社員のメッセージを集めた動画を公開し、採用活動の効果を上げました。
6.ブランディング
- 目的:企業のブランドイメージを強化し、長期的に消費者の心に残る印象を与えること。動画を通じて、企業の価値観や理念、独自性を効果的に伝え、消費者との深いエモーショナルなつながりを築くことが目指されます。また、競合との差別化を図り、ブランド認知度を高めることが目的。
- 動画の効果的な出し方:ブランディング動画では、企業のストーリーやビジョンを感情的に伝えることが重要です。視覚的な美しさや感動的なメッセージを通じて、消費者に強い印象を与えます。また、企業がどのように社会に貢献しているか、どのような価値観で活動しているかを表現することも重要です。特に、感情的な訴求力を持った動画が視聴者の共感を呼びやすく、記憶に残りやすいです。
- PR方法:YouTubeやInstagramなどの動画プラットフォーム、または企業の公式ウェブサイトを活用してブランド動画を発信します。さらに、SNS広告やテレビCM、インフルエンサーと連携したキャンペーンなどで拡散を図ります。ターゲット層に合わせた動画広告を配信し、動画を通じてブランドのメッセージを広め、消費者の認知度を向上させます。
- 実例:ナイキJust Do Itキャンペーンはスラム街や異なる環境で挑戦を続けるアスリートたちを紹介したブランディング動画を公開し、ブランドの価値観を伝えながら消費者に強く印象づけました。
7.プロモーション
- 目的:消費者に対して特定のキャンペーンや期間限定オファーを告知し、購買行動を促進することが目的。商品やサービスの魅力を視覚的に強調し、消費者に「今すぐ購入したい」と感じさせる動機付けを行います。また、期間限定のオファーやイベントなどを通じて、認知度の拡大や売上の増加を図ります。
- 動画の効果的な出し方:キャンペーン内容や特典を簡潔かつ視覚的に訴求することが重要。商品の魅力を際立たせる映像を使用し、視聴者に「今すぐ行動しなければならない」という緊急性を感じさせる内容にします。SNSでシェアしやすい動画やインフルエンサーと協力したコンテンツも効果的。
- PR方法:SNS(Instagram、Twitter、Facebook)やYouTubeを活用して、ターゲットにリーチします。特に、InstagramやTwitterのストーリーズ広告、YouTubeのスキップ可能な広告などを活用することで、視覚的に印象的なプロモーションを行い、視聴者に行動を促します。また、インフルエンサーと提携したキャンペーンなどで、広範囲な拡散を狙います。
- 実例:ローソンが実施したおにぎりフェアの動画が注目を集め、SNSやYouTubeで急速に拡散されました。
8.サービス案内
- 目的:サービスの内容や特徴をわかりやすく伝え、潜在顧客に対して利用を促進することが目的です。動画を使うことで、テキストや画像だけでは伝えにくいサービスの具体的なメリットや使い方を視覚的に説明できます。また、視聴者に対して「このサービスは自分にとって必要だ」と思わせるようにします。
- 動画の効果的な出し方:視覚的にわかりやすく、サービスの特長や使い方を説明することが重要。特に製品やサービスがどのように生活を便利にするのか、問題を解決するのかを簡潔に示し、サービスの利便性やユニークさを強調し、視聴者がすぐに利用したいと思うような魅力的なポイントを前面に出す。
- PR方法:自社サイト、YouTube、SNSなどで拡散します。特に、ターゲット層が多く利用するプラットフォームを選び、動画広告として配信します。FacebookやInstagramのストーリーズ、YouTubeの広告枠を活用し、さらにインフルエンサーやブログと連携してPRを行うことも効果的です。
- 実例:LINEは「LINE Pay」の使い方や便利さを紹介する動画をLINE公式アカウントやLINEのタイムライン、YouTubeや各種SNSで公開しました。買い物シーンや送金が簡単にできることを示し、使ってみたくなるような魅力を伝えました。この動画はLINEアプリ内やYouTubeなどでシェアされ、急速に拡散しました。
9.飲食業界
- 目的:飲食店や食品関連サービスが、視聴者に対して自店の魅力を伝え、来店・注文を促進することです。動画を通じて、ブランドの認知度向上や商品の訴求を行い、さらにリピーターの獲得を目指します。
- 動画の効果的な出し方:動画コンテンツが視覚的な要素に強いため、食欲をそそる映像や、店舗の雰囲気を伝える演出が重要です。
- PR方法:SNSやGoogle広告を活用して、ターゲットとなる地域や顧客層に動画を配信。インフルエンサーとのコラボレーションで、飲食店や商品の口コミを広める。特典や割引を提供する動画を作成し、視覚的に行動を促す。
- 実例:
10.不動産業界
- 目的:物件の魅力や周辺環境を視覚的に伝え、購入や賃貸契約を促進する。特にオンラインで物件を探している層に対して、実際に物件を見学する意欲を高めることが目的。
- 動画の効果的な出し方:物件内部や周辺の利便性を詳細に紹介し、視覚的に訴えることが重要。VRや360度カメラでリアルな体験感を提供したり、内装の魅力を引き立たせるように撮影します。また、住んでいるシーンをシミュレーションしたり、物件の利便性を強調することで、視聴者に「住みたくなる」感情を喚起します。
- PR方法:YouTubeやSNSでターゲット層に向けて動画を配信。さらに、物件紹介サイトで動画広告を配信し、リスティング広告や検索広告と組み合わせて効果的に訴求します。
- 実例:SUUMOは2015年~2016年頃にリアルな360度ツアーや、物件の特徴を強調する動画を配信しました。おしゃれな部屋や駅近物件をテーマにしたものが特に大きな反響を呼びました。
11.観光業界
- 目的:観光地や旅行商品の魅力を視覚的に伝え、観光客の関心を引き、実際に訪れたり、予約したりする行動を促す。特に、旅行の体験価値や感動を視覚的に訴求し、旅行を決断するためのインスピレーションを与えることが目的。
- 動画の効果的な出し方:観光地の美しい風景や観光施設を高品質な映像で紹介することが重要です。ドローン映像やタイムラプス、360度映像なども活用することで、視覚的にインパクトを与え、観光地を訪れたくなる気持ちを刺激します。また、現地の文化や食事、アクティビティなども含め、旅行全体の体験をイメージできる内容にすると効果的です。
- PR方法:YouTubeやSNSを通じて動画をシェアすることで、特に若年層をターゲットにした視覚的なアピールが可能です。また、観光サイトやOTA(オンライン旅行代理店)のページに動画広告を掲載することで、実際に旅行を予約する動機づけを行います。近年は、YouTubeやSNSを活用した動画キャンペーンが増えており、短尺動画やインフルエンサーとのコラボが特に効果を上げています。観光地の魅力を視覚的に伝え、リアルな体験を動画で紹介することで、旅行への興味や予約に繋がることが多くなっています。
- 実例:
12.自治体
- 目的:市民への情報提供、地域の魅力発信、住民参加の促進、そして災害時の迅速な情報伝達。市民への情報提供では、行政手続きや重要なお知らせをわかりやすく伝えることができ、地域の魅力発信では、観光地や特産品の紹介、地域イベントの告知が行われ、地域の活性化につながります。災害時には、迅速かつ正確な情報を動画で伝え、市民の安全を守る役割を果たします。
- 動画の効果的な出し方:簡潔でわかりやすい内容にすることが重要です。視聴者がすぐに理解できるように、情報は要点を絞り、短い時間で伝える工夫が必要です。視覚的にインパクトを与えることや字幕をつけること、多言語対応をすることで、より多くの人々にアクセスできるようにすることが求められます。また、SNSを活用して動画をシェアすることで、広範囲に情報を拡散できます。
- PR方法:ターゲット層ごとに、配信方法を適切にカスタマイズすることが、PR活動の効果を最大化します。若年層にはSNSとインフルエンサーを活用し、働く世代には実用的なYouTubeコンテンツ、高齢者層にはシンプルで視覚的に分かりやすい動画を提供します。また、外国人住民には多言語対応のコンテンツで、全ての層に情報を届けることが重要です。
- 実例:東京都は防災動画を制作し、YouTubeやSNSで配信しています。特に台風や地震が発生した場合にどのように行動すべきかを示す動画が注目を集め、SNSでしばしば拡散されています。
13.ファッション業界
- 目的:商品のディテールや着用シーンを視覚的に伝えることができるため、製品の魅力を最大限にアピールし、ターゲットとなる消費者層へのインパクトを与え、新作アイテムやコレクションの認知度向上、ブランドのイメージ構築、消費者の購買意欲を引き出します。
- 動画の効果的な出し方:ストーリー性を持たせ、ブランドの背景や価値観を伝えると共に、インフルエンサーや人気モデルを起用してイメージを高めます。また、季節やトレンドに合わせた内容にすることで視聴者の関心を引き、商品のディテールや使用シーンを高品質な映像で伝えます。最後に、視聴者の行動を促すため、動画の終わりに購入ボタンなどを設置するとより効果的です。
- PR方法:Instagramなどビジュアル重視のSNSを活用するのが効果的です。インフルエンサーとのコラボレーションを通じて、ターゲット層にリーチし、拡散力を高めます。また、ユーザー参加型キャンペーンの実施やSNS広告、動画広告を活用し、ターゲット層に直接アプローチします。
- 実例:
14.オンラインショップ
- 目的:商品の特徴や魅力を効果的に伝え、消費者の購買意欲を引き出すことを目指します。また、動画を通じてオンラインショップへの誘導や、特定の商品やサービスに対する関心を高め、最終的には売上増加を実現することが最も重要な目的です。
- 動画の効果的な出し方:短時間で商品の魅力を伝えることが重要なので視覚的にインパクトを与え、商品の特徴や使い方を実演することで、消費者が購入イメージを持ちやすくします。音楽や動きで視覚と聴覚に訴えると、記憶に残りやすく、購買意欲を刺激します。動画の最後には購入ボタンなどを入れ、直接購買に紐づけます。
- PR方法:SNSを活用し、短い動画で素早く情報を拡散します。タレントやインフルエンサーとコラボも有効な手段です。
- 実例:ZOZOTOWNは、ZOZOスーツの発売時に体験動画を展開しました。動画内でZOZOスーツの使い方を実演し、体型データの取得方法やオンラインで注文できるプロセスを視覚的に見せることで、視聴者に興味を持たせ、SNSでバズり、ZOZOスーツへの関心が急激に高まりました。
15.教育 / 研修
- 目的:教育や研修プログラムの効果を高め、学習者の理解を深める。社員や学生に対して、効率的に知識や技術を習得させることを目的とする。
- 動画の効果的な出し方:内容を簡潔かつ視覚的に理解しやすく伝えるインフォグラフィックやアニメーションを活用した教育動画を作成。専門家による解説や、実際のケーススタディを交えた実践的なトレーニング動画を提供。分かりやすく段階的に学べるように、シリーズ化した動画を展開。
- PR方法:eラーニングプラットフォームや企業の研修動画をSNSやYouTubeで広め、学習意欲の高い層にアプローチ。プロフェッショナルな講師による専門的なトレーニング内容を紹介する動画を企業や学校のウェブサイトで配信。研修後の成果や社員インタビューを通じて、研修効果を訴求する。
- 実例:
16.レシピサイト
- 目的:視聴者に料理への関心を高め、具体的な行動(レシピの実践)を促す。それだけでなく、レシピの提案を通じて食材や調理器具、さらには特定のブランドや商品への認知と購入を促進することも目的に含まれます。さらに、ブランドの価値観やライフスタイル提案、季節ごとの食文化の紹介なども含め、視聴者との感情的な繋がりを築くことができます。視覚的な魅力だけでなく、視聴者に「このレシピを試してみたい」「このブランドの食材を使いたい」と思わせることが重要です。結果として、視聴者に対して「食文化の楽しさ」や「食を通じたライフスタイル提案」の認識を深めてもらうことを目指します。
- 動画の効果的な出し方:レシピ動画では、視覚的にわかりやすく、かつ感情に訴える演出が効果的です。例えば、シンプルな材料を使っても手間をかけずに美味しい料理が作れることを強調し、視覚的な満足感を提供します。また、食材の選び方や、料理を作る過程でのコツや裏技を共有することで、視聴者が自分自身で試したいと思わせるような要素を取り入れると効果的です。動画のテンポを速くし、料理の手順を短縮することで、視覚的に飽きさせず、簡単に実践できるイメージを作ります。さらに、音楽やナレーションを活用して、楽しさやリラックス感、特別感を演出し、視聴者が自分の料理体験を楽しめるようにすることが大切です。
- PR方法:SNSを活用した拡散が最も効果的です。InstagramのストーリーやTikTokなどでは、短尺のレシピ動画を手軽にシェアすることができ、視覚的に訴求できるため、視聴者のエンゲージメントを得やすくなります。また、YouTubeではより詳細なレシピ解説を提供することが可能です。ターゲット層に合わせて、特定の食材や製品を使ったレシピを紹介することで、ブランド認知を高めることもできます。例えば、「これを使えばこんなに簡単にできる」という形で特定の調理器具や食材を提案し、そのリンクを動画に追加することも有効です。さらに、インフルエンサーや料理家とのコラボレーションを活用することで、より多くの視聴者にリーチし、信頼感を醸成することが可能です。
- 実例:
17.IT・テクノロジー業界
- 目的:製品やサービスの技術的な特徴を理解してもらい、購買意欲や導入意欲を高める。新技術や革新的な解決策を提供し、ターゲット層に訴求する。
- 動画の効果的な出し方:製品のデモンストレーションや実際の使用シーンを通じて、技術の使い方やその利便性を具体的に示す。ハウツー動画やチュートリアルを作成し、顧客が製品をどのように活用できるかを分かりやすく伝える。特に、製品の問題解決能力や効率化機能などを強調する。
- PR方法:YouTubeで製品紹介動画をターゲット層に配信し、潜在的な顧客の関心を引く。オンライン広告やウェビナーを通じて新技術の解説や実演を行い、視聴者に新しい製品やサービスを体験させる。技術者や業界のインフルエンサーと連携し、製品レビューや導入事例を紹介して信頼性を高める。
- 実例:
ニュース・報道
- 目的:視聴者にタイムリーな情報を提供し、詳細な情報や特集を自社のオウンドメディアに誘導すること。ブランドの信頼性向上を図り、視聴者のリピーターを増やす。
- 動画の効果的な出し方:速報を短く簡潔に伝え、視覚的にインパクトを与えながら、詳細は自社メディアで視聴するように誘導する。現場の映像やインタビューで視覚的に訴え、リアルタイム性を強調。
- PR方法:SNSやYouTubeで短い動画を配信し、自社のオウンドメディアへのリンクを案内。視聴者を自社サイトに誘導し、深堀りした情報を提供する。
- 実例:NHKニュース、TBS「NEWS23」、テレビ朝日など
用途に応じた適切な動画の長さ
適切な媒体 | 目的 | 長さ |
---|---|---|
SNSのストーリーやショート | 広告・PR(認知拡大・印象付け) | 5秒 |
テレビ、WEB、デジタルサイネージなどのCM | 広告・PR(認知拡大・印象付け) | 15秒 |
オウンドメディア※1などのWEB | 商品やサービス紹介 | 30秒 |
オウンドメディアなどのWEB | 商品やサービス紹介・ブランディングムービー | 90秒 |
オウンドメディア | 商品サービス紹介・ブランディングムービー・ 採用や事例紹介などのインタビュー動画 | 2~3分 |
オウンドメディア | 採用や事例紹介などのインタビュー動画・マニュアル動画 | ~5分 |
youtubeなどの動画プラットフォームやオウンドメディア | 番組や講座 | 5分以上 |
※1:オウンドメディアとは、自社発行の広報誌やパンフレット、カタログ、インターネットの自社ウェブサイト・ブログなど、企業や組織自らが所有し、消費者に向けて発信する媒体を指す。「費用を払って広告掲載をする従来型のペイドメディア」 や「SNSのようなアーンドメディア」 と合わせ、企業マーケティングの核となる3つのメディアとして認識される媒体。
動画投稿の危険性
動画は強力なマーケティングツールですが、リスクも多く存在します。これらのリスクを最小限に抑えるためには、事前の計画と慎重な対応が必要です。特に、法的リスクやブランドイメージの維持、プライバシーなどに注意を払い、コンテンツの品質と安全性を確保することが重要です。
no | 概要 | 内容 | プラットフォーム | 実例 | 対策 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 他人が作成した映画を無断使用 | 著作権侵害 | youtube | ファスト映画:所在不明のアップローダーに対し5億円の損害賠償を命じる判決 https://coda-cj.jp/news/1645/ | 自分で作成したコンテンツや許可を得た素材を使用する。著作権フリー素材やライセンスを確認して使用する。 |
2. | 名誉毀損 | ||||
3. | プライバシーの侵害 | ||||
4. | 誤情報 | ||||
5. | フェイクニュース | ||||
6. | |||||
7. | |||||
8. | |||||
9. | |||||
10. |
動画作成のフレームワーク
以下の3つの要素を組み合わせることで、視聴者にとって魅力的で効果的な動画を作成することができます。
- 誰に向けて動画を作成するのか。視聴者のデモグラフィック、興味、ニーズを理解する(ターゲット)
- 動画を作成する目的は何か。ブランド認知度の向上、製品のプロモーション、教育など、具体的な目標を設定する(目的)
- 伝えたい核心となるアイデアや情報。ターゲットと目的に基づいて、視聴者に伝えるべき主な内容を明確にする(メッセージ)
CAMS
動画企画でよく用いられるフレームワークの一つに「CAMS(カムズ)」があります。
動画を構成する上で、視聴者にどのような影響を与え、どのような行動を促したいのかをCAMSを用いて明確にします。
CAMS は、以下の4つの要素の頭文字を取ったものです。
C
Catch(つかみ)
視聴者の目を引き、ハートを掴む導入部分です。
- 視聴者の注意を引きつけ、動画の世界観に引き込む
- ストーリーの始まり、問題提起、意外な事実など、興味を引く要素を入れる
A
Appeal(アピール)
商品やサービスの価値やメリット、特徴を訴求します。
- 商品やサービスのメリット、特徴を分かりやすく伝える
- 視聴者の悩みや課題を解決できることを示す
M
Motivate(モチベーション)
視聴者に購買意欲や行動意欲を促す部分です。
- 購買意欲や行動意欲を喚起する
- 限定特典、期間限定、競合との比較など、購入を後押しする要素を入れる
S
Suggest(提案)
購入や問い合わせなど、具体的な行動を促す部分です。
- 具体的な行動を促す
- 「今すぐ購入」「詳細はこちら」など、分かりやすい言葉で行動を促す
CAMSのメリット
- 動画構成の明確化: 動画の構成を体系的に考えられるようになる
- ターゲットへの訴求力向上: 視聴者に効果的にメッセージを伝えることができる
- チームでの共有が容易: 動画制作チーム内で共通の認識を持つことができる
- 効果測定の指標: 各要素の効果を測定し、改善に繋げることができる
CAMSを活用する際のポイント
- ターゲットを明確にする: どの層に訴求したいのかを明確にする
- 動画の目的を定める: 何を達成したいのかを明確にする
- 各要素のバランスを取る: 各要素がバランス良く配置されているかを確認する
- データに基づいた改善: 分析結果に基づいて改善を行う